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楽屋日記仕事、観劇、だらだらの日々
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Tue. 『獣の奏者<探求編><完結編>』上橋菜穂子
前2作を読み終えて、続きが物凄く気になっていたものの、一応の完結となっていた作品。完結編が出ると聞いて発売後すぐ買ってきて合間を見つけては読んで、やっと読了。 でも書きたいことがまとまらない〜。とりあえず思ったことを連ねときます。 本当に壮大なファンタジーですね。日本でこんなファンタジーが生まれたのが嬉しい限り。作者の上橋さんは、この作品は児童書と思ってないといわれているそうですが、全くその通り。児童書のレベルを超えてると思います。一度完結させた作品のその後を(しかも数年間が開いたにも関わらず)新たに書き足してこの出来ってすごいんじゃないかな、と私は素直に思いました(他の評価は知りませんが)。 でも結末はなんともいえない結末でした。正直、もっと違った形だったらよかったのにと思わずにはいられなかった。1作目から主人公のエリンに感情移入して読み続けてきたので、自分のしてきたこと、自分のしようとしていることに苦しみ続けたエリンが可哀相でなりませんでした。 でも最後のくだりをもう一度読んで、エリンは自分の思う道を真っ直ぐに突き進んだ。そして最期は納得して最期の決断を下した。もしかすると不幸なだけではなかったのかなあと。 そして前2作で気になっていたイアルとのその後。イアルが想像通りそのまんまで嬉しかったです。物静かだけどやるときゃやる格好いい父親であり、良き夫。ふたりがたった10年間でも幸せな夫婦として生きられたことは読者としては嬉しい限りです。ラストのくだり、片時もそばを離れずエリンのそばにあり続けたイアルを思うと胸が痛むけど。その姿を想像し、その後のジェシの独白を思い出すとこの2冊の表紙がとても感慨深く見えてきます。母と子、家族の絆もこの作品の大きなテーマでもあると思いますが、そこも抜かりなくしっかり描いてありました。 悲しい結末ではありましたが、物語としてはとてもすっきり完結したと思います。前作読了後はもやもやして仕方なかったので。はっきりとラストを書いてくれたのが有難かったなーと。 天と地の守り人の戦場場面を読んだ時も思いましたが、上橋さんは戦場というものを真正面から書く人なんだなと思います(毒霧は核兵器を思わせたし、ところどころ現代への風刺みたいなものも感じられたり)。子どもが読むからといって曖昧な表現で逃げないんだな、と。読んでいていつも自分が書くものに対してとても誠実な印象を受けます。 あと、知らないことの恐ろしさ、というのもこの物語が前2作含めた全編通して訴えられていると思います。エリンは知らないことを知るために禁忌とされたことの全てを暴いてしまった、エリンの母は皆が知らないことを隠し通すためにその身を投げ出した。真王は祖先が知っていたこと・自分が知るべきだったことを知るすべを失い、それを知らないが為に戦いに王獣を使う道を選んでしまった。 その知らないことの罪を悔い、皆に教育を、真実を伝えていこうとするラストがとてもしっくりきました。それをエリンの息子のジェシが、両親が生きた地から始めたところがとても嬉しいし(しかもエリンの育ての親のジョウンに通ずるものまであるところがなんとも)、納得できるラストにしてくれたかなと思います。 エリンの物語はこれで終わりですが、獣シリーズは続けようと思ったら続けられるな。壮大な大河小説にしようと思えば出来るなーと。 とにかく、上橋さんが次に書くのはどんな物語なのかとても楽しみです。 Comment
父のメルアドで送信しています 18です
今NHKアニメワールドの問い合わせを通じて獣の奏者エリンの「探求・完結【エリン・リラン生存】」と言う形アニメ化を考えているんですが
| 大石匡男 | 2010/01/07 9:39 AM |
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| - | 2009/08/19 12:41 AM |
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